【沖縄の方言大辞典】
面白い沖縄の言葉を学んで、あなたも沖縄通になろう!
縄の言葉は難しい! 何が難しいって、大体沖縄の言葉は日本語文化の原点にさかのぼらなきゃ分らない単語が多いのです。以前、言語学者の偉〜い先生が「沖縄の言葉は平安時代にまでさかのぼる」と言っていたのを思い出します。何でも、その頃の言葉がそのまま生きているのだそうな。つまり、古語の世界なんです。中学・高校とまじめに古語を勉強してこなかった私めには、少々辛いのであります。

「言葉」は「食」と同様、文化です。
たとえば同じ国内でありながら、東北の言葉と関西の言葉、九州の言葉が違うのは、やはりそれぞれの歴史風土の違いによるものです。人がいて歴史があり、その土地に根付いた生活と文化があります。沖縄を含めてその土地の言葉を理解することは、その土地の文化に触れることであり、理解する一歩なのだと思います。
琉球王朝のその昔・・・、人々がどこからやってきたか・・そのことを書くと長くなるのでこでは省きますが、いずれにしろ「言葉」は長い時を経て現在に受け継がれてきています。この「うちなーぐち大辞典」は、少し面白おかしく書いてみましたが、これが沖縄を理解する入り口となり、そして奥深い沖縄文化や沖縄の人々のこころに触れていただくきっかけとなれば幸いです。
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「ウチナーグチ大辞典」の各単語・用語は、沖縄の巷で一ごく標準的に使われ、耳にする言葉を思いつくまま列記しました。まだまだ未完成です。時間をかけてゆっくりと・・・・お楽しみください。
あっ!そうそう・・・、「うちなーぐち」って言うのは、うちなー=沖縄、ぐち=口(言葉)・・・ってことで、沖縄の言葉という意味です。よろしく!
それでは、面白うちなーぐち大辞典のはじまりー!!
まずは「あ」の行から。
あしてぃびち」 豚足のことを「あしてぃびち」と言う。沖縄では豚肉のほとんどを料理して食する。この足てぃびちは、じっくり煮こんで脂肪分を取り除き、ほとんどゼラチンと化した料理だ。おでん風にして食べるのが一般的である。何かに豚のゼラチンは血液の流れを良くする働きとか、コレステロールを下げるとかの働きがあると書いてあった・・。だから、沖縄のお年よりは元気なのだ。長寿料理のひとつなのであります。

あいっ!」 感嘆詞。自分の意に反する物事への驚きとか、怒りとかを表す。
例えば「あいっ!なんで、あのタクシー。手上げたのに止まらないサー」と使う。「あいっ!誰ね。このコーヒーこぼしたのは」とか「あいっ!このゴーヤ-、とっても大きいサー」というように使うのだ。
「あげっ!」「アジぇっ!」ともいう。中国じゃないが「あいやー」という単語も日常的な会話に出てくる。これは思うに、中国伝来ではないか。沖縄は昔、琉球と言う一王国であった。そのころは、中国、韓国、台湾はもちろん、遠く東南アジアから中近東当たりとも盛んに貿易を行っていた。そうした背景を思い浮かべて言葉を知ると面白い。

「あきさみよー」 「あいっ」に近い表現だが、もっとどぎつい。もうどうしようもない状態をいう。「あきさみよー!、このワラバーター(くそガキ共)は、こんなに散らかして」などのように、私は怒っているんだぞー!の意味だ。

「あちこーこー」 とってもアツアツの状態を言う。「このそば、アチコーコーだよー」。ちなみに「こーこー」というのはどこからきたのかは不明。

「あちさん」
これも暑い・熱いの意味。「今日はあちさんやー」(今日は暑いね)、「このお茶、あちさんど−」(このお茶は熱いよー)と使う。

「あめりかー」 アメリカ、アメリカ人のこと。ちなみに沖縄県人は「うちなー」(正しくはうちなーんちゅ)だし、本土の人は「やまとぅー」(正しくはやまとぅーんちゅ)だ。やまと=大和(日本)である。「やまとぅ」の「とぅ」は英語のtoの発音だ。余談だが沖縄用語で「〜する人」を表す場合、英語と同様に語尾に「−er」をつけて表す場合が多い。例えば「掃除をする人」は「掃除をする」の「する」が「さ」に変化し「er」を付けて「掃除さー」となり、「掃除をする人」を表す。この辺は日本語と違うところ。

「あめりかゆー」 かつて沖縄がアメリカに統治されていた時代を「あめりかゆ」という。「あめりかゆ」とは「アメリカ世」と書く。世は時代の意だ。ちなみに現在は「やまとゆ」(大和世)である。アメリカ湯という風呂屋があるがこれは別。

「あいすくりん」 国道を走ると、ビーチパラソルの下で「アイスクリーム」を売る少女達があちこちにいる。うわさの「アイスクリン」だ。さっぱりとした懐かしいアイスクリームの味に感動すら憶える。「アイスクリン」売りの少女達は大抵が中学生のアルバイト。日中一人で売り子をしている姿に何故か可哀相な気もするのは、筆者だけか。

「あがー」 痛い! の意味。いたずら好きの「はんだや−ワラバー」(鼻たれ小僧)の頭をコツンとやると、「あがー!!」と言う。

「あがり」 沖縄では「東」を「あがり」と言う。「西」は「いり」と読む。何故か?それは太陽が上がるのが「東」だから「上がり」で、陽が沈むのか「西」だから「入り」だ。何とロマンチックな読み方ではないか・・。

「あばさー」 「針千本」という魚をご存知だろうか。ふぐの一種であるが、この魚を釣るとぷーっと膨れて身体中に針を出す。沖縄ではこの「あばさー」の皮を剥いて、味噌汁にして食する。「あばさー汁」という。ふぐの一種だから味は大変美味であるねー。是非食べて欲しい。

「あーさ」 「アオサ」という海草の一種。沖縄の海岸の岩にへばりついている海草だ。これをひとつひとつ取って水洗いしたものを太陽に干す。この「あーさ」は水で戻して味噌汁の具にする。我が家では白味噌仕立てにして味醂を加える。これがまた美味い。澄まし汁仕立てにしても美味い。
「あり」 「あり」「くり」「うり」という言葉がある。日本語で言う「あれ」「これ」「それ」だ。「あれもこれも」は「ありんくりん」と言う。

「あま」 「あそこ」の意味。「ここ」は「クマ」という。

「あちゃー」 明日ということ。ちょっと何かを間違えたときも「あちゃー・・!」という。ちなみに今日は「ちゅー」だ。

「あきさみよー」 びっくりする様。なんだこりゃ!! って感じ。「あきさみよー、もうでーじ」と使う。「でーじ」とは大変ということ。「ありゃまぁ!もう大変!!」という意味になる。

「あーてぃーはーてぃー」 とっても慌てて大急ぎの様。早く何かをしなさいと言うとき「あーてぃーはーてぃーしぇー!!」と言う。「しぇー」は「せー」の意味だ。「せー」は「せよ」の命令形。あー難しい・・。

「あんだーんす」 「油味噌」・・・、豚肉を炒めて味噌と混ぜ合わせ、少々の出汁と砂糖で味を整えたもの。ご飯の上に乗せて食べるとすごく食が進む。沖縄でおにぎりを頼むとほとんどこの「あんだーんす」が入っている。

「いちゃんだ」 金銭的に「ただ」無料ということ。

「いまいゆ」 取れたて魚「生の魚」のこと。「いま」が「生」なら「なま」は「今」の意味。分るかナー!

「いったー」 あんた達、という意味。複数形だ。単数になると「やー」である。ちなみに家も「やー」だから、話の流れを良くつかまないといけない。反対の「我々」は「わったー」となる。

「いっぺー」 たくさん、とってもという意味。「とても有難う」を「いっぺーにへーでーびる」という。「にへーでーびる」・・んー?

「いしがんとー」
(せきがんとう)
「石敢當」と書く。三叉路や店先に石に刻まれた「石敢當」が目に付く。詳しくはないが、風水思想から来ているのだと思う。「石敢當」とは昔の中国の武将の名で、向こうからやってくる魔物から守ってくれるというものだそうな。風水的に見て、交通事故の多そうな場所、営業上あまり良い場所といえないところなどに置かれる。ちなみに「しーさー」という二対の獅子が沖縄ではポピュラーだ。「しーさー」は屋根の上に置かれ、幸せを呼び又、幸せを離さないと言われる。ある種の魔よけである。

「うーじ」 「砂糖きび」のこと。季節になると農家は総出で「うーじ」を刈りに出る。これを「うーじどーしー」という「どーしー」とは倒すということだ。離島では「うーじどーしー」の人手が足りず、本土からわざわざアルバイトに来る青年男女がいる。それでやっとこさ「うーじどーしー」が出きるのだ。昔は韓国台湾から季節労働者を雇っていたくらいだ。

「うがなびら」 拝なびらと書く。「こんにちは」を「ちゅう(今日)うがなびら」という。今日と言う良き日に手を合わせ、幸せを祈りましょう」という何とも素晴らしい意味ではないか。

「うみんちゅ」 海人と書く。字のごとく海の人、漁業に従事する人々のことだ。「うみんちゅ」は真っ黒に日焼けして筋骨隆々として、いかにも海の男を感じさせる。最近は夏ともなるとどこからか沸いてくるにわか海人の「ないちゃー」が多い。「うみんちゅ」のごとく海を我もの顔にして、女のこをナンパしまくっている。

「うちなー」 沖縄のこと。おきなわが「おきなー」になって「うちなー」に変化したと思われる。ちなみに沖縄のひとは「うちなーんちゅ」だ。「うちなー」が沖縄の「ひと」を表すことも多い。

「うーまくー」 いたずら好きというか、乱暴者というか、そう言うのを「うーまくー」という。なんかうーまく言えないな、なんちゃって!!

「うーとーとー」 漢字で書くと「御尊い」と書くんだな、これが。んで、どういう意味かってーと、神・仏を拝むことを言うのです。神・仏は尊いのです。いつの世も。

「えんだー」 沖縄の若者の間で「エンダー」と言う言葉をよく耳にする。これはA&W
の略語だ。A&Wというのは、アメリカ資本のドライブインレストランのこと。車をパーキングに停めると、各パーキングブースにマイクとメニューが設置されていて、運転席から注文が出来る。と、そこへウェイトレスが注文品を運んでくるという仕組みだ。このA&Wは随分昔から沖縄にはある。本土のファーストフード店にはない「沖縄の中のアメリカ」である。若い男女のデートの場所でもある。


「Aサイン」 沖縄が復帰前のアメリカ世だったころ、米軍が今の保健所のごとく飲み屋を徹底チェックして、衛生的にも環境的にも優れたバーなどの店舗に「Aサイン」という看板を与えた。要するにハイクラスのバーということだ。そのバーには、将校たちが毎夜毎夜繰り出しては沖縄の一夜を過ごしていたのだ。大和世になって、その看板は骨董品と化した。

「Aランチ」 これもアメリカ世のころ、レストランに入るとどこもかしこも「Aランチ」「Bランチ」という定食があった。「Aランチ」には、豚カツにソーセージ、ハンバーグ、目玉焼きなどがライスと共に大皿に盛られて出てきた。もちろんスープ・サラダ付きである。ある種のフルコースである。それを子供ごころに一番上等の食べ物だと思っていた。懐かしい時代である。

「おりおん」 オリオンといえば、「オリオンビール」だ。国産ビールがいくら攻勢を掛けようともシェア−80%の純沖縄産ビールの勢いは崩せない。そう、沖縄では県産品愛用の運動・習慣が根強い。地場産業を守るのは地元民の努めだ。

「おじー」「おばー」 おじいさん・おばあさんの意味。年寄りに「おじー」「おばー」と親近感を込めて呼びかける。そうすると「なんねー」と返ってくる。

「おきなわそば」 沖縄のそばは小麦粉にかん水で作る。昔はガジュマルの木の木灰を水に入れ、その上澄みを小麦粉のつなぎに使っていた。いまでは量産が出来ない手打ち麺なのだが、おばーの手打ちのそばを食べると、やはり美味い。
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