■中味汁って・・・? そんな質問が聞こえてきそうです。 中味汁と言うのは、実は豚の臓もつで作る「お吸い物」のことです。この中味のお吸い物は、沖縄ではお祝いごとに欠かせないお料理なのです。例えば、お正月とか、法事とか、新築祝いとか・・。この料理も琉球王朝時代から作られている伝統のある料理です。 豚の臓もつと言いますと、どうしても臭いが気になるところですが、ちゃんと料理されたものは、臭みが全然無く、逆に上品な味にびっくりするぐらいです。沖縄に旅行来られた方で始めて口にしたときに、臓もつとは分らないぐらいに調理されていて、後で聞いてびっくりするぐらいです。出汁のベースは鰹出汁です。ほんの少しの臓もつの味と鰹の味が見事に調和しています。 12回目の今回は、この「中味汁」に挑戦です。 このレシピは、埼玉のめぐさんよりリクエストをいただきました。有難うございました。 | |
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■まずは、材料を揃えましょう。 | |
4人分の材料です。 @豚の臓もつ(大腸・小腸など) 300g−500g程度 A小麦粉 適量 Bサラダ油 適量 C干し椎茸 3−4枚 Dかまぼこ(沖縄ではカステラ蒲鉾というものを使いますが、普通の蒲鉾でも可)少々 Eこんにゃく 1/3〜1/2個 F鰹出汁 5−6カップ G塩 少々 H醤油 少々 Iおろし生姜 少々 |
■それでは作ってみましょう。 | |
1.まずは、下ごしらえです。 (a)「中味」は一度お湯でさっと湯がいてから、水気を切り、ボールに移して小麦粉をかけ良く揉みます。このとき、ゴシゴシと力を加えて揉みましょう! (b)そこに水を入れ、すすぎ洗いをします。この行程を2〜3回繰り返します。(これを省くと臭みが取れません) (c)次に、お鍋にたっぷりの水を入れ、その中に「中味」を入れ火にかけます。白く濁るまで煮こみます。そして、煮汁を捨て、再度水を入れて煮こみます。それをお湯が白く濁らなくなるまで、3回ほど繰り返します。(これも臭みを取る作業です) (d)さて、湯がき終えた「中味」をざるに上げ、水で洗います。 (e)冷めた「中味」をまな板に取りだし、長さ5cm<幅1cmぐらいに細切りしましょう。 (f)再び水で洗い流してから、またまた、お鍋に入れ、1時間ほど柔らかくなるまで煮こんでください。 (g)充分に柔らかくなったら、またまた、ザルにあけ、水洗いします。これで「中味」の下ごしらえが完了です。 ■生の臓物はやはり臭いものです。下ごしらえで手を抜きますと、仕上がりも臭いが残りますので頑張りましょう。(沖縄では、完全に下ごしらえをした臓物をどこのスーパーでも売っています) | |
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2.さてさて、それでは次に移りましょう。 (h)椎茸は水にもどし、「中味」と同じ長さ・幅に切っておきます。 (i)鍋に鰹出汁を煮たて、「中味」と椎茸、蒲鉾、こんにゃくを入れて、塩・醤油で味付けします。このとき、醤油は控えめに、ほんのちょっとだけにしてください。基本は塩味の方が美味しいと思います。 (j)「中味」に充分味をしみ込ませるために、弱火にして、じっくりと煮ることがこつです。 (k)ときどき、味をみてみましょう。もう大体味がしみ込んできたでしょうか?ここで、再度塩・醤油で味を整えて、火から下ろします。 | |
l3.それでは、盛り付けです。 吸い物椀に盛り付け、上におろし生姜を好みに応じて乗せます。食べるときは、そのおろし生姜をかき混ぜてくださいね。 さあ、いかがですか?まだ味がしみ込んでいないときは、一日置いて、次の日に召し上がってみてください。もっと美味しくなっているはずです。 豚の臓もつが、こんなにまで洗練された味覚となりました。そして、何度か召し上がっていくうちに、病みつきになる一品です。 |
■さて、この「中味」ですが、上記の下ごしらえが済んだ状態のものを、野菜と一緒に炒めても大変美味しく召し上がることができます。一度お試しを・・・。 | |
■ここまで、12のレシピをお送りして参りました。いかがですか?美味しくできましたでしょうか?ご質問、リクエストなどがございましたら、どしどしメールを送ってくださいね。お待ちしています。 |